A5判 161ページ 平成20年3月刊行
町史編さんの関連図書として「町史研究第15号」を刊行しました。最終号として約50頁の増頁を行い、近世・近現代・民俗・考古・自然・建築の分野から8研究を収録しました。
収録内容
富士山宝永噴火災害における幕府の御救について 神奈川県域所領入組み地域を中心に
神奈川県歴史博物館 古宮雅明
内容
宝永四年の富士山噴火は幕府の危機管理が問われた広域災害であった。大磯地域や他に残されている救済をめぐる史料をとりあげ、被災地全体の中に大磯地域を位置づける。
近代の鴫立庵 十一世庵主寿道~十七世庵主時処人の時代
大磯町史総括編集委員 松元 宏
内容
文化遺産・観光資源鴫立庵について、近代以降明治・大正・昭和戦前期の時代を対象にその歴史を明らかにし、文化遺産継承の意義を検証する。
戦後青年文化運動の地域社会史序説 合併前の旧大磯町を事例として
大磯町史執筆委員 上田誠二
内容
旧大磯町の戦後復興をリードした青年会メンバーたちの動向を中心にみながら、昭和二十九年十二月に国府町と合併されるまでの時期における青年の文化運動の果たした社会的役割を明らかにする。
新聞記事にみる大磯町内の民俗行事(二)
資料調査協力者 飯田福信 大磯町郷土資料館学芸員 佐川和裕
内容
前号に引き続き、新聞記事として記録化された民俗行事を整理解題し、補助的な情報資料としての有用性を検証していく。
今回は、明治~昭和三十年までの国府祭・八坂神社祭礼・高麗神社夏季大祭(御船祭)・御嶽神社祭礼・歳の市の新聞記事をとりあげる。
貝に魅せられて・大磯海岸の変遷とともに 大磯産軟体動物相
日本貝類学会会員・相模貝類研究談話会会長 福田良昭
内容
著者の見てきた大磯の海岸の変遷と「海産貝類」、大磯の自然と「淡水貝類」を紹介。
大磯丘陵をとりまく縄文後・晩期の遺跡
東海大学校地内遺跡調査団 宮原俊一
内容
大磯丘陵をとりまく周辺遺跡より、縄文後期から晩期にまで継続する遺跡を概観した上で町域における縄文時代の最後段階の様相について述べる。
大磯における初期別荘建築の様相について 旧大磯町行政資料による検討
関東学院大学教授 水沼淑子
内容
大磯町所有の土地建物関係史料などを用い、大磯の別荘建築の中でも最初期に属する昭和二十年代から三十年代初頭における別荘建築の様相について詳細に検討する。
昭和初期の大磯町の様相 「大磯の図面」の検証から
東海大学工学部教授 加藤仁美
東海大学工学研究科修士課程 石塚悠子
内容
昭和初期大磯町の道路等の基盤整備、土地及び建物の状況、別荘を含む敷地及び建物規模・配置等による市街地の実態を把握することにより、別荘地化や郊外住宅地化を主とした近代都市構造への変容の一端を明らかにする。