大磯町の概略


当館が所蔵する郷土資料から、大磯町に関する基本的な資料の概要を紹介します。

大磯町史
著者名 : 大磯町

出版年 : 平成8(1996)~平成21(2009)年

出版者 : 大磯町

請求記号:

  K21.1
  11
 1~11

全11巻。内訳は資料編1~5巻、通史編2巻(第6・7巻)、別編4巻(第8~11巻)。
編集は大磯町(第1~3巻は企画政策室、第4巻は郷土資料館、第5~11巻は図書館)。
各巻A5版。町史編さん事業開始は平成3年度。

役場関係者、学識経験者による町史編さん委員会と各巻執筆者による町史編集委員会のもと、
基本方針として町民に親しまれる町史づくりと町域を超えた広範囲にわたる資料収集と調査に努め、事業を行った。

各巻の詳細はホームページの町史刊行物→大磯町史刊行物一覧・価格表→町史全11巻を参照。
なお、11巻『おおいその歴史』については別途解説を加える。


大磯町史研究
著者名 : 大磯町

出版年 : 平成4(1992)~平成20(2008)年

出版者 : 大磯町

請求記号:

 K21.1
  9
 1~15


平成2(1990)年2月の町史編さん準備委員会の設置に始まる町史編さん事業の一環として、
平成4(1992)年3月から平成20(2008)年3月まで、全15号を刊行した研究誌。
各号A5版、約100頁。

町史編集委員、執筆委員等による調査報告、資料紹介、論文に加え、一般からの投稿論文も掲載。
各号、大磯町に関する自然、歴史、民俗、考古などの分野を網羅。
巻末には事務局作成の「町史編さん日誌」「編さん関係者名簿」を収録し、町史編さん事業の記録となっている。

各号の詳細はホームページの町史刊行物→大磯町史刊行物一覧・価格表→町史研究全15巻を参照。


大磯町史 新聞記事目録 

著者名 : 大磯町

出版年 : 平成7(1995)~平成20(2008)年

出版者 : 大磯町

請求記号:

 K07.1
  3
 1~3

大磯町企画政策課町史編さん係の編集。
全3巻。第1集(明治編)は、B5判。
第2集(大正編)、第3集(昭和元年~29年)はA4判。

平成3(1991)年度から町史編さん事業による資料の調査・整理の中、近・現代資料の一環として、刊行された目録集。
『横浜貿易新報』『神奈川新聞』の中から、大磯や当時の中郡に関係する記事を収録。
当時、大磯が名士の別荘地として繁栄を極めていたこと、中郡役所や登記所等、中郡の政治の中心も大磯にあり、
町民の生活や、観光業、水産業、農業等の事が、新聞記事により、垣間見ることができる。

なお、第1集には、『横浜貿易新報』の創刊の経緯、『神奈川新聞』がその足跡を繋いでいることが、解説として記されている。


おおいその歴史 
著者名 : 大磯町

出版年 : 平成21(2009)年

出版者 : 大磯町

請求記号:

 K21.1
  11
  

『大磯町史』全11巻の11巻目にあたる、別編ダイジェスト版。
A5判、360頁、編集は大磯町。

町史編さん事業開始は平成3年度、18年後の平成20年に完了した。
『大磯町史』1~10巻の中から、各時代における歴史、くらし、自然の中から特徴的なものを抜き出し、
写真や図を多く挿入し、読みやすくコンパクトにまとめている。
また巻末には町史編さん事務局が作成した「おおいそ歴史年表」が添付してあり、これは大磯町にとって
初めての本格的な歴史年表である。

なお、『大磯町史』1~10巻については別途参照。


大磯歴史物語

著者名 : 池田 彦三郎

出版年 : 昭和56(1981)年6月10日初版
      昭和56(1981)年10月20日再版

発 行 : グロリヤ出版

請求記号:

 K21.1
  1
  

著者は池田彦三郎(いけだ ひこさぶろう)。
18.2cm、273頁、折り図1枚、定価1500円、グロリヤ出版発行。
折り図は「大磯宿場絵図」(23.1×18.2cm)。
前身は昭和29(1954)年に大磯町教育委員会が中心となり研究調査開始、昭和31(1956)年に発行された『大磯町文化史』。
途中、国府地区との合併が具体化したが、これには国府地区に関しては含めなかった。

なお、『大磯町文化史』については別途参照。

合併後、著者は両地区を併せ、『大磯歴史物語』として大磯町広報に昭和43(1968)年1月から24回掲載した。
その際の文章をまとめ、加筆修正をして1冊の本として編集した。
本文は、大磯町の誕生、山野の挽歌、文化の光、相模の国府、大磯の衰微、東海道大磯宿、文明開化、
二宮の里をタイトルとして、歴史や文化等について各項目で言及している。
また、巻末に附篇として大磯歴史年表を収録している。


大磯町文化史

著者名 : 大磯町

出版年 : 昭和31(1956)年


発 行 : 大磯町教育委員会


請求記号:

 K21.1
  3
  

大磯町文化史編纂委員会編。
発行は大磯町教育委員会。

戦後の当時、正確な記録をまとめようという機運が高まり、大磯の昔の姿を知るために、
教育委員会が主体となり、昭和28(1953)年6月から11人の研究家を編纂委員とし、事業が開始された。
なお、巻末の編纂後記にて、委員の氏名が記載されている。

六章構成で、古代・中世・近世の大磯や民俗伝承、古文学に現れた大磯を収録。
一般通史的表現をさけ、歴史的発展の過程において大磯町を特色づける主要な文化事象や、
生活の中から生まれ出た民俗的伝承を取り上げ、時代区分に従って一般学習の参考に、
また町民としての読み物になるように表現されている。


大磯ふるさと紀行

著者名 : 高橋 光

出版年 : 昭和56(1981)年

発 行 : 郷土史研究会

請求記号:

 K29.1
  1
  

著者、高橋光(たかはし みつ)は、高来神社の社人の2男で、元・大磯町観光協会副会長、元・郷土史研究会長。
昭和2年に渡鮮し、総督府農業試験場の官吏となり、20年終戦帰国。

本書は、著者が高句麗、新羅、百済の発祥の地帯を18年間の在鮮中に詳らかに行った調査研究を背景にして、
高来神社や高麗山の縁起を中心に、各所の祭礼や風習を記している。
主に古文書を読解することにより町内の歴史を紐解いていくが、著者が見聞きした自身の体験や
親族、友人、知人たちのエピソードを交え親しみやすく解説している。

郷土史研究会発行。


大磯の今昔

著者名 : 鈴木 昇

出版年 : 昭和53(1978)~平成14(2002)年

出版者 : 鈴木 昇

請求記号:

 K29.1
  2
 2~11

著者は鈴木昇(すずき のぼる)。
元大磯町郷土資料館長、元大磯町史編さん委員会委員。
大磯町役場在職中に『広報おおいそ』昭和46(1971)年4月(120)号から休載期間も含め
平成5(1994)年8月(411)号まで「大磯の今昔」を執筆。

本書は、『広報おおいそ』に掲載されたものに未発表原稿や、『神奈川県史研究』
(神奈川県史編集委員会/編、神奈川県企画調査部県史編集室/発行)、 
『かながわ風土記』(丸井図書/編・発行)に執筆したもの、
『広報おおいそ』連載終了後の原稿を加えて編集し発行。
全10巻。自家版。

当初は横穴の事、海水浴の事などテーマ別に記していたが、四巻後半以降は編年とし、明治元年から
昭和20年までの大磯町の出来事を膨大な資料と聞き取りにより、郷土史家の目線で詳細に描いている。

四巻には付録として、「大磯の著名な住人・別荘・土地所有者」がある。


大磯案内

著者名 : 朝倉 誠軒

出版年 : 大正11(1922)年

出版者 : 菊屋書店、三宅書店

請求記号:

 K29.1
  6
   22

著者は朝倉誠軒(あさくら せいけん)大磯町大磯975番地。
刊行は大磯町南本町の菊屋書店、大磯町茶屋町の三宅書店の共同刊行。
18.4㎝、本文83頁、口絵5頁、折り図1枚、広告40頁、定価30銭。
口絵に大磯の名所の写真を掲載。
折り図は「大磯町全図」(38×17.5㎝)で官公署、神社、寺院、旅館等が記載されている。

本文は緒言、風光、沿革、官公署及会社、海水浴場、旅館、遊郭、別荘、山水、神社、寺院、
名勝、旧跡、生業と産物、風俗を紹介。
広告は巻末のほか、本文中にも挿入され、旅亭組合、海水浴場茶屋、銀行、医院、飲食店、
商店等の広告を掲載、当時の産業や風俗が窺える。

図書館で所蔵する資料は全体に朱書きで校正されており、著者あるいは発行者が所有していた可能性がある。
下記の昭和3(1928)年の「大磯案内」(再版)では校正した内容に修正されている部分多々ある。


大磯案内(再版)

著者名 : 朝倉 誠軒

出版年 : 昭和3(1928)年

出版者 : 菊屋書店、三宅書店、高橋売店


請求記号:

 K29.1
  6
 28-1

上記の大正11(1922)年刊行の増補改訂版、奥付には再版とあるが、口絵、折り図、本文、広告は初版と異なる。

著者は朝倉誠軒(あさくら せいけん)、住所は大磯町大磯975番地。
刊行は大磯町南本町の菊屋書店、大磯町茶屋町の三宅書店、大磯駅構内の高橋売店の共同刊行。
18.6㎝、本文86頁、口絵4頁、折り図1枚、広告34頁、定価30銭。
口絵に大磯の名所の写真を掲載。
折り図は「大磯町全図」(37×17.5㎝)で官公署、神社、寺院、旅館等が記載されている。

巻頭の緒言に「…(前略)、初版は大正十一年に成つたもので、爾来殆ど十年も経たから、
町に沿革も起り、殊に大正十二年の震災の為には、海岸等に大變動を来したから、内容處々に
改竄を加へて、今再版することにしたのである」と再版の経緯を記している。

本文は風光、沿革、官公署及会社、海水浴場、旅館、遊郭、別荘、山水、神社、寺院、
名勝、旧跡、生業と産物、風俗を紹介。
巻末には「内務省衛生試験所分析比較」の表を掲載し、県内や千葉、茨城の海水浴場と比較して
大磯が潮も空気も清澄であることを宣伝している。

広告は本文中に挿入され、旅亭組合、海水茶屋組合、銀行、医院、飲食店、商店等の広告を掲載、
当時の産業や風俗が窺える。


大磯案内

著者名 : 岩尾 机水

出版年 : 大正6(1917)年

出版者 : 菊屋書店、三宅書


請求記号:

 K29.1
  15
  

編者は岩尾机水(いわお きすい)、本名は岩尾信明(いわお のぶあき)、岩尾机水は他に
脚色小説『世の赤裸』を大正6(1917)年に執筆・刊行している。
住所は大磯町大磯2141番地。
刊行は大磯町大磯の菊屋書店、同じく大磯町大磯の三宅書店の共同刊行。
印刷所は徳富蘇峰により設立された、戦前日本の言論団体・出版社である民友社(東京市京橋区日吉町十番地)。
18.2㎝、46頁、定価25銭。
口絵に大磯八景の写真を掲載。

巻頭には編者の「はしがき」があり「大磯の地、古くより史跡に富み、且つ海水浴を以て其の名聞ゆ、然れども
来遊する客の、僅かに一瞥を加へて去るもの日に多し、…(中略)…、仍ち小編を綴り以て諸君の便覧に供ふ」
と刊行の経緯が記されている。
本文は(湘南名勝)大磯の位置、大磯の沿革、古歌と大磯、歴史物語と大磯、大磯八景、山と大磯、水と大磯、
名士と大磯、大磯の商売、大磯の祭礼、名刹と旧跡、附近の旧跡を紹介。
巻末に町内の医院、商店、海水浴茶屋、旅亭組合、貸家貸間組合等の広告が掲載され、当時の産業や風俗が窺える。


大磯誌

著者名 : 河田 罷

出版年 : 明治40(1907)年

発 行 :冨山房

請求記号:

 K29.1
  17
  

著者は河田罷(かわだ たけし)。
地理学者で明治政府の地誌編纂事業に尽力した。本誌には柳荘漁人編とあり。
発行は冨山房。発売は三宅正之(大磯町大磯)。
和装本63,24丁(帙入り)。大磯略図(折り図)2枚あり。定価65銭。

内容は大磯の地が古代以来発展してきたありさまを文献に沿って記し、名称沿革、形勢現況、官署、
海水浴場、旅舎、諸家別荘、山川名勝、社寺旧蹟、物産とある。
特に明治期になって海水浴の発祥地としての性格がくわしく説明されている。
付録として近隣の国府村・吾妻村・山背村・平塚村・前羽村・国府津村の地誌・旧蹟も合わせて掲載。
なお、明治40年頃は、大磯が海水浴と避暑地として一大発展を遂げた時期で、付近の史蹟と景勝に
惹かれて訪れた人々のよき案内書となった。

なお、当館には本書の複写版あり。
また、『神奈川県郷土資料集成第9集 武相案内記』p252~314を抜刷製本した翻刻版あり。